磯川暁(あき)くんへ

三宅島PО壁に第1歩目を記す磯川君

【三宅島PО壁に第1歩目を記す磯川君↑】
三本岳遠征の話を持ちかけてきた時の磯川君の笑顔は、今でも忘れません。
「こんなのあるんですけど、どうですか?」
それは、この手のちょっと変わった嗜好性を持つ者同士ならよくわかる、
なんとも含みをはらんだ笑顔でした。
 
彼とは7~8年前にヨセミテで会って以来、ナンバー(グレード)にこだわらず、
マルチピッチやトラッドなど、広い視野でフリークライミングの
可能性を追う姿勢に共感を覚え、多くのクライミングを共にしてきました。
 
そういう我々にとって、今回の話はまさに降って湧いた、
最高のバケーションのように思えました。
そしてこういう時の彼の笑顔は、ほんとうに輝いて見えます。
結局、三本岳は登れませんでしたが、かわりに
三宅島PО壁を発見することができました。
思えばこれも、こういうクライミング生活を長年送ってきた我々への、
天からの恵みだったのかもしれません。
そして、その第1歩目を記したのが、磯川君でした。
「こんな機会、滅多にないんだから、最初に登りなよ」
その言葉に、遠慮しつつもいそいそと準備する姿は、
本当に今いるこの世界が、楽しくて仕方がないといった風でした。
そのPО壁も、彼にはもう手の届かないものになってしまいました。
しかしその後の運命がどうあろうとも、ここが磯川君の、
大いなる喜びが詰まった場所であることは変わりません。
その無垢な喜びに触れるために、これから先も、
この浜を訪れ続けたいと思います。

Climbing School & Guide 菊地敏之

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